[希望寄席 VOL.2]2022/3/26(土)16~17時30分

日時:2022/3/26(土)16~17時30分
木戸銭:2F/4000円(1ドリンク付き)※10名限定 1F/2500円(1ドリンク付き)※5名限定

出演:林家きく姫、林家ひろ木

ご予約:
○直接お店へ電話予約/03-5465-7577
○オフィシャルインスタグラムのDMから予約/希望Instagram

※当日は公演の前後はグランドメニューでの通常営業となります。ランチメニューはございませんのでご注意ください。

黄昏ミュージックvol.61  笑ってよいしょ/5代目三遊亭圓楽&ロイヤルナイツ feat.野末陳平

 1月終盤『希望』で初めての落語会が行われた。
 出演は林家木久扇一門から、今や店の御常連とも云っていい女性落語家のパイオニア、林家きく姫師匠と、高学歴且つ落語&津軽三味線の二刀流で名高い林家ひろ木師匠。
 二師匠とも初の開催を考えてか?入門編とも云える演目で場を和ませ早くも新年に福を呼び込んでくれた。
 さてその際、落語好きな当方は出囃子を担当させていただいたのだが、ついでと云ってはなんだが客入れ客出しの選曲も担当させていただいた。まさに本邦初公開、「江戸落語家しばりのDJ」という訳だ。
 上方を含めると相当数の落語家が楽曲リリースを過去しているのだが、江戸で歌唱力で選べば、現役では林家たい平師匠。オールタイムでは、古今亭志ん朝、林家三平両師匠は外せないだろう。そして、作曲&アレンジつまり楽曲のクオリティーで云えば今回取り上げる五代目圓楽師匠の『笑ってよいしょ』がずば抜けている。
 同名のTVコメディードラマの主題歌として発売されたシングル盤音源で、番組の音楽担当、巨匠津島利章氏を差し置いてここではあの萩原哲晶氏が抜擢された。
 既に一連のクレイジーキャッツのミリオンセラーでヒットメイカーとしての地位を築いていた氏だが、落語家とのジョイントというところが斬新である。野末陳平氏の落語家の了見を最大限にデフォルメした歌詞に、完成形とも云えるクレイジーサウンドが下支えする様は圧巻だ。(se)

BRUCE OSBORN写真展〜Nature calls〜&常設展〜once upon a time in Los Angeles〜

BRUCE OSBORN写真展 
○常設展/泉岳寺「アダン」

〜once upon a time in Los Angeles〜
コロナ禍により開廊時間が不安定です、コチラからご確認ください→https://adan-radio.com/
※無休

○期間限定展/渋谷「バー希望」2F「南洋ギャラリー」
〜Nature calls〜
2月3日(木)〜3月29日(火)
コロナ禍により開廊時間が不安定です、コチラからご確認ください→https://adan-radio.com/kibou/
※水曜休廊
※土曜日、日曜日は夕方よりDJ TIMEとなり、照明が暗くなります。ご了承下さい。

BRUCE OSBORN:ブルース・オズボーン/プロフィール
www.bruceosborn.com/
葉山在住。
L.A. Art Center College of Design で、コマーシャル写真を専攻。
1980年の写真展「LA Fantasies」をきっかけに、日本での活動を本格的開始。
ボストン子供の博物館の企画展「TEEN TOKYO」では、東京のティーンエージャーを撮影した作品を展示。インターネット初期の頃から双方向通信企画に従事。MCET(ボストン)制作の教育番組ではディレクターを務め、アメリカの高校生にむけて“生の日本情報”を伝えた。
1982年から始めた親子写真の撮影は今年で40年目。撮影した親子は 8500組を超えた。2003年より7月の第4日曜日を「親子の日」と提唱。記念日協会に登録され、後に「記念日文化功労賞」授与。「親子」をテーマにした写真展は、オリンパスギャラリー、日本外国特派員協会、山梨県立美術館、金沢21世紀美術館、 愛・地球博園内愛知県児童総合センターなど全国各地で開催。シンガポール、アメリカ、韓国などでも展示会を行い共感を得た。
「親子の日」の活動への評価を受け東久邇宮文化褒賞を授与。写真家としてのみならず、ソーシャルな活動にも意欲的に取り組んでいる。

日々トリップ 「あんかけうどん」 川内一作

 どうせすぐに飽きるだろうから、ほんのしばらくのつもりで京都に秘密基地を作ったのが去年の春のこと。秘密基地と言ったって、ただ家を借りただけのことで、こうやって書いていると秘密にならない。格別京都でなくても神奈川の大磯あたりでも良かったし、冒険して瀬戸内の島でも、お手軽に千葉でも良かった。いや千葉は昔の悪い仲間がいっぱい移住しているからやめとこう。そんなことを考えていたら、たまたま京都は南禅寺の近くに安い家を借りることができた。相変わらずひとつところに落ち着かないけれど、まァ、かつてはボウイもこの辺りを散策していたし、ちょうどいいじゃんと自分に言い訳をする。
 家は北を向いていて昼間でも暗い。夕方から西日が入るだけで京都らしいと言えばそうだが、私もそろそろ人生の後半に入っているし、若い頃にやらかしたあれこれを自己反省するにはこの暗さはちょうどいいかもしれない。それでも小さな庭の向こうには白川が流れていて風はよく通る。
 去年の初夏、陽が落ちて開け放した窓辺に座ってウィスキーを飲んでいると、白川の方でふっと何かが光った。川のそばで誰かがタバコをすっているのだろうと思っていたら、光は二つ三つになりふわっと庭に侵入してきて、やっとああホタルだと気がついた。ホタルなんてずっと子供の頃にみたきりでびっくりしていたら、光のひとつが庭から私のいる窓辺へやって来たので、部屋の電気を消してそいつに悟られないように静かにウィスキーをすすった。そいつも手が届きそうなところでこっちをじっと見ていたが、やがて庭の向こうで待っている仲間のところに戻って白川に消えた。
      
 若い頃にバリからインドネシア、スマトラ、マレーシアと短い一人旅をしたことがある。だらしない東京の生活でココロが壊れかけていた。金子光晴の文庫「マレー蘭印紀行」をジーパンのポケットに突っこんで、それが頼りの旅で、文庫が真っ赤になるくらい赤線を引いて放浪詩人が歩いたミチユキをたどってみた。驚いたことにはるか戦前の文章なのにそこに書かれた風景の多くはまんま残っていた。少なくとも私が光晴の旅を探しに出た三〇数年前までは。
 たとえばジャカルタのバサール・イカンという魚市場も光晴の文章のまま残っていたし、マレーシアのジャングルに忽然と現れた町バトパハで、光晴が宿泊していたホテルも確かに存在していた。ジョホールバルから乗り合いバスでバトパハにやってくる道すがら、どこまでも続くゴム園と赤土の道を眺め、はるばるやって来たバトパハの町で、光晴が泊まっていた朽ちかけたそのコロニアルな建物の前に立った時、私はああやっとここにたどり着いたと思った。町のすぐを流れるセンブロン川にはサンパンと呼ばれる荷役船が何隻も重なるように停泊していて、そんな風景も戦前とあまり変わらないように思えた。
 私は文庫の中でカユアピアピという個所に赤線を引いていた。カユアピアピの木にはホタルが群れ集まり燃え上がる炎の様に見える。そのような話を私は夢のように追いかけていた。バトパハに着いた翌日、私は夕暮れからサンパンに乗ってカユアピアピの木を探しにセンブロン川を上がったが、結局カユアピアピにもホタルにも出会わなかった。上半身裸の屈強な船頭にカユアピアピの話が通じなかったのか、季節が悪かったのか、環境が変わってそれは遠い昔話なのか、そして私自身が光晴が愛したバトパハの町に佇んでいることさえマボロシのように思えた。白川のホタルは私にそんな昔のことを想い出させた。夏のはじめのその一週間、私は夕暮れになるとホタルを探しに出かけた。白川から疎水を抜けて南禅寺、哲学の道あたりまで無数のホタルを見ることが出来た。こうしてホタルと遊んでいれば東京で飲んだくれているよりは余程ケンコウで金もかからぬが、そういう美しい暮らしをしていると大した善人になりそうで恐い。
    
 暮れから正月にかけて東京にいた。
 ロネッツのロニー・スペクターが亡くなった日に京都に戻った。子供の頃に岩国の米軍基地の極東放送から流れる「ビィ・マイ・べイビー」を聴いた。ピカピカしていたな。翌日、京都は大雪だった。朝起きてカーテンを開けると去年の夏ホタルが飛んでいた庭は雪で埋もれていた。昼過ぎに雪見酒でもと思いたち出かけた。ただただ寒い。あったかいものを食べたくて南禅寺の参道から少しの路地にあるうどん屋に入った。小さな店でお客さんはいなかった。熱燗とあんかけうどんを注文した。かん酒を半分くらいのんでいるところにあつあつのあんかけうどんがやってきた。具はなにもなく、おろししょうがが乗っているだけのあんかけうどん。冷え切ったカラダにかん酒としょうがのきいたあんかけうどんを交互にすする。暮れから正月にかけて、あれもこれもと求め過ぎて悲鳴を上げていた胃袋も、この質素な食事を喜んでいる。
 「うまいなァ」
 と独り言を言ったら、聞こえたのか奥からお母さんが出てきた。
 「実は僕も、昨夜家であんかけうどんを作ったのですが大失敗しました。ちょっといい小麦を使ったうどん玉と、瀬戸内のいりこ出汁、あんは吉野葛を使ったのにね」
 と私が生意気なことを言うと
 「あらうちはただの片栗粉です。出汁もサバ節だけですよ」
 とお母さんがにこやかに言ったので、私は恥ずかしくなっておみそれしましたと思った。南禅寺のすぐそばでもあるし、まるで禅問答のように思えて、私は日々の飽食を反省した。
 うどん屋のお母さんは今年七二歳になるという。アダンのせっちゃんと同じ歳だ。東京に戻ったらせっちゃんにこんなシンプルなあんかけうどんを作ってもらおう。

ⒸSOHMEI ENDOH

黄昏ミュージックvol.60  新日本紀行のテーマ(『祭りの笛』)/藤原道山:冨田勲

 新年ということで、我が国の土着的名曲を紹介したいと思う。
 昨年の東京五輪閉会式の大詰めの見せ場で使われた冨田勲だが、氏が世界的評価を決定付けたのは、シンセサイザーの多重録音による70年代中期の、『月の光』、『展覧会の絵』辺りからだと思うが、国内ではラジオ、テレビのテーマ曲の作者として既に名声を馳せていた。
 特に今回取り上げる 『新日本紀行のテーマ』(『祭りの笛』は販売ツールに乗せる際に担当ディレクターが便宜的に付けたもの)は1963年から実に18年強も続いた地方風土記的番組のテーマ曲で多くの国民が、『笑点』や『サザエさん』のテーマ曲のように時計代わりに使っていたくらいにある時期まで脳裏に刷り込まれていた名曲である。
 冒頭、ファンファーレ的に使われるホルンが印象的なヴァージョンがあまりに著名だが、その前にリズムを牧歌的に強調したヴァージョンもあり、更に、2005年から放映された『新日本紀行ふたたび〜NHKアーカイブス〜』では、冨田自身の推薦による薩摩琵琶奏者、坂田美子によりヴォーカルヴァージョンが新たに加わり、それぞれ魅力的なものに仕上がっている。
 さて、今回セレクトした人気尺八奏者、藤原道山ヴァージョンだが、番組本編部分に続く藤原のジャズ的アプローチなソロ部分が新たな聞き所となり、長尺(5:02)で楽曲に酔える優れもの。本年のイメージ堅めにに心鎮める瞑想時に是非聴いていただきたい。(se)

12月9日(木)〜沢田としき作品展・VOL.1 AMOR

沢田としき作品展
12月9日(木)〜
11時〜23時 ※水曜休廊

沢田としき(TOSHIKI SAWADA)/1959年青森県生まれ
阿佐ヶ谷美術専門学校卒業。青林堂「ガロ」で漫画作品を発表。長友啓典、黒田征太郎主宰のデザイン会社K2を経て独立。雑誌広告、イラストレーション、コミックス、絵本、芝居や映画のチラシ・ポスター、ステージ美術、ライブペインティングなど幅広く活躍し、各地で展覧会を開催。
1990年、初の画集「Pink&Blue」(ビクターエンタテイメント)を出版。1996年、絵本「アフリカの音」(講談社)で日本絵本賞、「てではなそうきらきら」(小学館)で第8回日本絵本賞読者賞を受賞。2007年、「ピリカ、おかあさんへの旅」(福音館書店)で児童福祉文化賞受賞。「ほろづき」「土のふえ」「ちきゅうのうえで」「つきよのくじら」「エンザロ村のかまど」「みさき」など絵本作品のほかに、挿画を手がけた児童書も多い。また、「ぐるり」(ビレッジプレス)、「すばる」(集英社)、「おおきなポケット」(福音館書店)で表紙画を担当。月刊「PLAYBOY」(集英社インターナショナル)連載の「ピーター・バラカンブロードキャスターの音楽日記」でも挿絵を担当した。
音楽活動では、大塚まさじ「屋上のバンド」でサックスを、WALKTALK(砂川正和・柳田知子)でジェンベを演奏。西岡恭蔵、大塚まさじ、砂川正和、高坂一潮、渋谷毅、いとうたかお、亀渕友香ほか、洋楽のCDジャケットイラストも多く手がけた。
また、「KOBE*HEART」(神戸)、「神話の里フェスティバル」(高千穂)、「風の祭り」(いわき)でアートディレクターを、「風のがっこう」(常呂町)で美術教授を担当。国立病院・広島西医療センターで「ホスピタルアート」、アフリカ・ケニア「シャンダ・ドリーム・ライブラリー」アートワーク壁画を制作。
2010年4月27日、急性骨髄性白血病のため永眠。享年51歳。

黄昏ミュージックvol.59  ラバーボーイ/イルカ

 感染数がやっと減少し当店DJ現場もレギュラー&ゲストDJの通常体制が復活し日常を取り戻しつつある。
 先日は無期限延期になっていた世界的にも希有な和物DJのパイオニア、コモエスタ八重樫氏を迎えることができた。選曲ももちろんだが氏との音楽を中心とした雑談がその際の筆者の楽しみの一つなのだ。
 今回、この項でも過去何度か記した“クルアンビン以前以降”にも話が及び、筆者が東南アジア、東アフリカ、在欧州トルコ移民などに、その周辺音楽を求めたいたのだが、氏は中南米、特にクンビアにその周辺を求めたいたことは驚きだった。
 さて、肝心の選曲だが、筆者が失念したいた和製セカンドラインをその夜思い出させてくれた。それが今回取りあげる『ラバーボーイ/イルカ』である。
 この曲の魅力はやはりアレンジの妙。編曲者、石川鷹彦の手腕によるところが大きい。ニューオリンズ風味なリズムアレンジに乗るヴァイオリンがなんとも心地よい。
 因みにこの楽曲は大ヒットチューン『なごり雪』のB面として認識している御仁が多いことを付け加えておこう(se)

黄昏ミュージックvol.58  Yenuro Tesfa Alegne/ハイル・メルギア

 前回も書いたが、クルアンビン以前以降で音楽の聴こえ方が確実に違うことは如実で、特に主旋律が単音でペラペラに軽い音圧に反応する自分がいる。
 ジミヘン以降のロックの主旋律は、歪みによる音の複合性が重視されたが、それ以前は、俗い云う、“アンプ直繋ぎ”が殆どで、ギター、アンプそれぞれの純正な特徴を生かした音作りを行なっていた。大雑把に云えば、ファーフ系ギターインストや和製GSサウンズなどのあれだ。
 クルアンビンにそれ同様のニュアンスを感じるのは、彼らが影響を受けたタイファンクも竿系民族楽器で主旋律を奏でることが多く、国内で例えるなら三線でファンクをやる感じに近い(元・喜納昌吉&チャンプルーズのギタリスト平安隆氏は以前そんな楽曲があった)
 さて、今回紹介するハイル・メルギアはエチオピアのオルガニストで、故に主旋律は和音を用いるが、彼の国の伝統である“ヨナ抜き音階”(ド・レ・ミ・ソ・ラの音階)を用いることで不思議な素朴感が生まれイナたく凝縮されたグルーブとの相性はクルアンビン同様の良質な辺境ファンクとなって立ち現れる。更に、ハイル・メルギア独自の着想としてジャマイカのジャッキー・ミットゥなどのバンドサウンドの構造を感じさせることも見落とせない。正にオンリーワンなアーティストと云うに値する人物、それがハイル・メルギアなのである。(se)

2021.10.1(金) ― 2021.10月下旬 公文健太郎 写真展 Satellite Exhibition 「光の地形―Imaginary journey」

公文健太郎 写真展 Satellite Exhibition
「光の地形―Imaginary journey」 

2021.10.1(金) ― 2021.10月下旬
月火木金 / 7:00~21:00
土日祝日 / 9:00~21:00 
※水曜日休み
※COVID-19の感染状況に伴い営業時間および会期が変更になる場合がございます。来場の際は下記URLをご確認の上お越しください。
https://adan-radio.com/kibou/
 
本展は、SLOPE GALLERY(神宮前)で開催中の
「光の地形―Imaginary journey」と同時開催となります。
 
公文健太郎 写真展「光の地形 – Imaginary journey」 
会期:2021.9.17(祝・木) ― 10.17(日)13:00-18:00(日月休み)
場所:SLOPE GALLERY 東京都渋谷区神宮前2-4-11 1F
TEL:03-3405-0604
URL:https://www.live-art-books.jp/slopegallery/