黄昏ミュージックvol.94 ヴェラ/クインシー・ジョーンズ feat.トゥーツ・シールマンス
黄昏ミュージックvol.94 ヴェラ/クインシー・ジョーンズ feat.トゥーツ・シールマンス
巨星墜つ。決して誇大ではなく、アフリカン・アメリカン・ミュージックの全てを知り尽くす音楽家クインシー・ジョーンズが亡くなった。
ジャズを出自にクラッシックも網羅。80年代初頭のマイケル・ジャクソンの快進撃を影で支え、1981年のイアン・デューリー・アンド・ザ・ブロックヘッズのギタリスト兼キーボード奏者チャズ・ジャンケルの楽曲「愛のコリーダ」の大ヒットカバーで一般的にもその名を知られるようになる。
クインシーのポップスとは別の側面としてサウンドトラックを多く手がけているが、その際の”黄昏シーン”として多用されるのがトゥーツ・シールマンスが奏でるクロマティックハーモニカ。そのサウンドこそ、この二人にしか表現し得ない稀有な響きであり、筆者がクインシーに求める大好きな音なのだ。
本作は、その大ヒットチューン収録で著名なアルバム「ザ・デュード」でひっそりと佇むイヴァン・リンスの名作に、夜のとばりをふんわり纏わせ極上の仕上がりとなった美しき名曲なのである。R.I.P.(se)