黄昏ミュージックvol.91 カクトウギのテーマ/坂本龍一
黄昏ミュージックvol.91 カクトウギのテーマ/坂本龍一
記録的な猛暑で昨年同様、ミットテンポのフュージョンに涼を求める毎日が続いている。
このBPMに多少飽きてくると、少しテンポアップしたこの名曲に移行するのが常だ。
ここからブラジリアン・フュージョンやバリー・ホワイトのキラキラしたストリングスの入口などとしても使うことも。
同作が発売された1979年は思いのほか、まだフュージョンの残り香がある時代で、演奏、編曲を担当した77年の名作「ピラニア軍団」同様に、その後、一世を風靡するYMOとしてのテクノ、ニューウェーブ感は皆無だが、本作の、小原礼、高橋ユキヒロ、鈴木茂、松原正樹、大村憲司、渡辺香津美(別名義)という豪華セッションは、手練れ多数の世界のフュージョン界と比べても何の遜色もないもので、既に編曲家としてその名を馳せていた教授らしく、そつのない弦アレンジは特出するものだ。(se)