黄昏ミュージックvol.82 青い魚/金延幸子
黄昏ミュージックvol.82 青い魚/金延幸子
1972年の細野晴臣プロデュースによる名作「み空」はともより、ある世代は小沢健二を経由してその存在を再評価されたと云われる伝説のS.S.W.金延幸子。そんな彼女が、本年5月の『PERFECT DAYS』(監督:ヴィム・ヴェンダース)での役所広司、カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞で又してもその評価がうなぎ登りとなり、今回、セレクトした挿入歌「青い魚」(c.w.『あなたから遠くへ』)が、まさかのヴァイナル発売が決定した。
当楽曲は本人他、鈴木茂、細野晴臣、林立夫と後のティン・パン・アレーの中核をなす手練れがサポートしており、その時代の最新マナー、ティム・ドラモンド(ベース)&ケニー・バトリー(ドラムス)を租借するも金延幸子の繊細なボーカルを殺すことなく非常に奥ゆかしく演奏されている。
ちなみに、最新ニュースによると、渡米後のアルバム「フォーク・イン・ザ・ロード」も鬼才久保田真琴の手による再録と聴き間違えるような作品としてのリリースも控えているそうで、来日公演も含め、しばらく何度目かの金延幸子ブームが続きそうだ。(se)