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黄昏ミュージックvol.75 星影のバラード/欧陽菲菲

黄昏ミュージックvol.75 星影のバラード/欧陽菲菲

 先日、1シーズンに一回、「奥渋/希望」にDJ参戦して頂いているコモエスタ八重樫氏にお教えいただいた音源を今回は紹介したいと思う。
 氏がこの曲をかけた時、俗に云う“歌謡曲”と認識したのだが、曲が進むにつれて不思議な違和感が襲ってきた。
 「これ、洋楽では?」と思案しだした瞬間、「これ、元唄レオ・セイヤー」と氏。
 よく聴くとレオの80年のヒットチューン「More Than I Can Say」ではないか。
 和欧文織り交ぜた川野珠音の訳詞(意訳?)のなせる技か、寸分の狂いもない“歌謡曲”として出来上がっているのだ。
 ド頭の欧文が印象深いビックカンバック曲「ラヴ・イズ・オーヴァー」が80年リリースなので、その手口には欧陽菲菲自身が手練れてきた時期であることが、楽曲の完成度を更に高めているのかもしれない。
 “洋楽により近く”を指標に推進してきたJ POPがファッション用語で云うところの“ドレスダウン”し始めた先鞭と云ってもいい、隠れた突然変異的名曲なのだ(se)