音楽情報
聴く >

黄昏ミュージックvol.15 晴海埠頭/古家杏子

黄昏ミュージックvol.15 晴海埠頭/古家杏子

 先日、このメディアの「酔談」という、グループオーナー河内一作の対談連載で、久方ぶりに、元ダウンタウン・ブギウギ・バンドの名ドラマー、相原誠氏にお会いした。
 筆者が誠氏と知り合ったのは90年中盤のゴールデン街「カボシャール」と記憶している。
 この初対面の時、確か来日中であったレジェンドドラマー、バーナード・パーディーに関し、適切な解説を筆者に直接してくれたことで、ダウンタウンの演奏力の高さを再確認した次第だ。
 で、今回取り上げる、Jオールドスクール・ラッパーの故ECDのコラムで再評価の気運が高まった「晴海埠頭/古家杏子」だが、参加ミュージシャンに元ダウンタウンのキーボディスト、千野秀一がクレジットに記されている以外、誠氏との接点が見つからない。
 こんな、長い“まくら”に、セレクションの疑問を持つ貴兄も多数いることだろう。
 実は、先日の対談中に、誠氏が面白いことを語り出したのだ。
 「最近、うちのかみさんのCDが急に人気が出て来て、バカな友達から、『金が儲かっていいよな』なんて電話がかかってくるんだよ。売れようがどうしようが俺には全然関係ないし、金も入る訳じゃないのにさ(笑)」
 そう、ECDも“謎”としていた、シンガーソングライター、古家杏子とは、なんと、相原誠夫人なのであった。
(因に筆者は、彼女のユニットのライブの立ち会いをしていて、歌はもとよりピアノの演奏が非常に上手であったことをよく覚えている)
 サイケなSEから始まる急展開のシティーポップス。シティーに似ても似つかないいなたいドラムの音色。正に、“幻惑の東京”黄昏ソングど真ん中の楽曲である。(se)