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黄昏ミュージックvol.105 ヘブン・トゥ・ミー/フェリックス・エイムズ

黄昏ミュージックvol.105 ヘブン・トゥ・ミー/フェリックス・エイムズ

 「Shoestring」がSpotifyで300万回オーバーの再生数を達成し注目を浴びるようになったモダン・ソウル・シンガーのフェリックス・エイムズ。
 モダン・ソウルなんてジャンルもあやふやで、過去UKでは同様の呼び名を60~70年代のレアなノーザンソウルの1カテゴリーとして仕様していた時期もある。
 その辺のゆるゆるな線引きなのでフューチャー・ソウルでも一向に構わないが、おおよその出自は70年代のニューソウルから派生したもので、それに加味されるのがリリックならラップ。更にサウンド・プロダクションはエレクトニカやら音響系とある程度の雛形は想像に難くないが、他と違い彼のトラックを頻繁に聴いてしまう最大の理由は、その特出したメロディーメーカーぶりだ。正に捨て曲なし。更に艶っぽい美声がそのメロディーを何倍にも増幅させる。
 出身地ミルウォーキーで音の骨格を形成し、ロサンゼルスで開花させたフェリックス・エイムズの本年リリースの3rdアルバムの2曲目「ヘブン・トゥ・ミー」そんな彼のゴスペル的側面を全面に押し出したソウルフル且つスペーシーな秀曲である。(se)