黄昏ミュージックvol.24 サムシング・フォー・ユア・M.I.N.D./スーパーオーガニズム
黄昏ミュージックvol.24 サムシング・フォー・ユア・M.I.N.D./スーパーオーガニズム
筆者には、音楽に関する指標や確認をさせてもらえる師匠的先輩が数人いるのだが、そのうちのお一人に新年早々お会い出来、海外文学を中心に四方山話に興じた。そして、当然、音楽にも話は及ぶ。
現在、師は海外にも通じる日本語ファンクの創作に明け暮れている。そんな中、微妙に指標に変化が起きて来たそうである。曰く、「エキゾチック感のあるファンクへの傾倒」。
以下は師の請け負いも多分に含まれるが、ファンクミュージックは黎明期よりセックスを主題としたものが非常に多い。他、タフネスや政治メッセージ等に特化したものもあるにはあるが、チャートインした著名なチューンはセックスに関するものが多いことは否めない。
そんなファンクミュージック群に、僅かだがエキゾチック感のあるファンクが存在し、これをガールズバンドにアプローチさせるチャレンジをここのところを始めたと言う。
それを聞いた瞬間、この連載で先日触れたクルアンビンが咄嗟に浮かんだ。そしてその辺の“ゆるファンク”を昨今掘っている自分もいるのだ。情報交換がまったく無いまま、お互いの音楽指標が完全に重なったレアな瞬間に出会ったのであった。
その、“ゆるファンク”に筆者が勝手に分類しているのが、話題のストレンジャーバンド、スーパーオーガニズム。今回は彼等の楽曲を黄昏ミュージックとさせてもらう。
前身であったエヴァーソンズの来日公演に足蹴く通っ日本人フロントガール、オロノの危なっかしい英語はもとより、イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、韓国と無国籍軍を地で行くロストルーツ感やニューウェーブ感がヘタウマ特有の緩さを生み、更に、ヒップポップ経由のファンクネスとの大きな異差が不思議な空間性を浮き立たせる。特に本チューンはスライドギターを効果的に使うことにより一層歪んだ空間が拡張されている。時代は今“ゆるファンク”なのだ!?!?(se)