黄昏ミュージックvol.66 ウー・チャイルド/ファイヴ・ステアステップス
黄昏ミュージックvol.66 ウー・チャイルド/ファイヴ・ステアステップス
前回の続編と云うか?忘れさられたヒットチューンを今回も紹介しようと思うのだが、この曲に関しては前回より全米でのチャートアクションは派手であったし、スピナーズ、ニーナ・シモンなど大物がカバーしていることを鑑みると、“日本で忘れ去られた洋楽ヒット”と理解していただいた方がすんなりくるだろう。
今回の主人公、ファイヴ・ステアステップスはシカゴ出身のファミリー・グループで、かのジャクソン5の形態の先鞭をつけたグループとも云える。
デビューもカーティス・メイフィールドのウィンディー・シティー・レコードと、なかなかの船出だったが、キャリアを俄然光あるものに変えたのは、名門ブッダ・レコーズ移籍後で、ビートルズのカバー曲「ディア・プルーデンス」のB面として、本作「ウー・チャイルド」をリリース。ラジオDJ達のハードローテもありビルボード・Hot100で最高位8位にまで駆け上ったのだった。
昨今の世界的な情勢不安もあり、筆者の現場での選曲も、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」、カーティス・メーフィールドの「バック・トゥ・ザ・ワールド」からの選曲が増えているが、本作もベトナム戦争激しき頃のチューン。困難な世相、未来を託す子供達への平和のメッセージとしてついつい数多く選曲してしまう名曲なのだ。(se)