黄昏ミュージックvol.38 雑草 (weed)/KODAMA AND THE DUB STATION BAND
黄昏ミュージックvol.38 雑草 (weed)/KODAMA AND THE DUB STATION BAND
今や、“ex.ミュートビート”との余計な肩書きなど不必要な程、ソロアーティストとして確固たる存在感を放つこだま和文の2015年に活動再開したパーマネントバンド“KODAMA AND THE DUB STATION BAND”が実に活動14年目となる昨年待望のフルアルバムをリリースした。
先行き見えぬ不安が暗雲のように立ち籠める現代を象徴するアルバムタイトル「かすかなきぼう」に込められた祈りにも似たトランペットの音色が、時にメランコリックに時にグレースフリーに音空間として広がって行く。
コウチ森の安定したリズムセクションに支えられ、こだまはもとより、既にソリストとして高い評価を持つHAKASE-SUN(Key.)の高度な楽曲解釈にもとずくソロパート。そして、普段はカッティングの妙で知られるAKIHIRO(EG.)が本作では、ムードミュージックまでも網羅しかのような歌心溢れるメロディックなソロプレイで更なる花を添える。
「かすかなきぼう」。このアルバムに対し、同時期こちらも久々のニューアルバムをリリースしたこだまの旧友じゃがたらのotoは、「自作アルバム『虹色のファンファーレ』と、こだまさんの、『かすかなきぼう』は同義語」と語ったが、世界規模の病理が、人類史上最大規模の閉鎖空間に追い込む窮状の中、その2タームをまずは解読し生き抜く覚悟を身につけようと思う(se)