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黄昏ミュージックvol.101  蝶は飛ばない/ザ・ゴールデンカップス

黄昏ミュージックvol.101  蝶は飛ばない/ザ・ゴールデンカップス

 ロックを作ったと云っても過言でない英米のレジェンド達が次々と天国に旅だってゆく中、この国のロックギターを確立させた一人、エディ藩氏が先日亡くなられた。
 雨後の筍のように誕生していったグループサウンズなる数多の楽団は、ジャケットに記されたアートロック期には多数が消滅、または歌謡曲へと流れていった。
 本作もなかにし礼、鈴木邦彦という「長い髪の少女」他、カップスのヒット曲のほとんどを手がけた歌謡界の腕利きコンポーザーコンビの作品だが、日本語を歌唱すると、そのオンリーワンなこぶしゆえ、好き嫌いが大きく別れるデイブ平尾の歌声が、不思議とこの楽曲に関してはアレンジにすんなり溶け込み良質な和製R&Bとして仕上がっている。
 この辺りは、鈴木邦彦に加え、J・ポップの生みの親とも云える村井邦彦も参加しているからなのか?また、印象的なミッキー吉野のハモンドオルガンはこの楽曲から導入されたとか。
 通常、筆者はチカーノソウルの導入部として選曲することが多いのだが、その辺りの音群を好むリスナーには特にお勧めな秀曲なのである。(se)