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黄昏ミュージックvol.108  Ené Nègn Wèy Antchi/ティラフン・ゲセセ

黄昏ミュージックvol.108  Ené Nègn Wèy Antchi/ティラフン・ゲセセ

 英語圏での旧譜ダンスミュージックの掘り起こしにひと段落した後、クルアンビンのタイランド産の緩いファンクミュージック租借辺りをトリガーに、俗に云う“辺境グルーブ”の掘り起こしへ、DJ、コレクターたちは約束の地を非英語圏へと変更した。
 筆者も御託に漏れず、タイファンクはもとより、コロンビアのボゴタ・アンダーグラウンド・シーンの音脈、ムスタファ・オズケントを筆頭としたトルコファンク、そして一番肌が合う、ムラトゥ・アスタトゥケを頂点としたエチオピア・ジャズと果てしなく音響放浪した。
 アスタトゥケの心地よいグルーブが奏でるヨナ抜き音階の魅力は語るまでもないが、ことグルーブのみにフォーカスするなら、そのアスタトゥケ人脈が誇る国民的歌手ティラフン・ゲセセが特出した存在となる。
 フェラ・クティがジャームス・ブラウンとナチュラルに互換関係にあったように、ティラフン・ゲセセもその2人と互換関係にあるように思う。
 それほどまでに、ボーカルを伴うファンク・ミュージックとして英語圏の著名なアーティストと全く引けを取らないクオリティ。そう、正に彼の称号たる“ザ・ヴォイス”。唯一無二な存在なのである。(se)