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黄昏ミュージックvol.57 ドラナ・ドラナ/ムスタファ・オズケント

黄昏ミュージックvol.57 ドラナ・ドラナ/ムスタファ・オズケント

 アメリカテキサスの男女混合トリオ、クルアンビンのブレークと共に彼らがインスパイアされたタイ発のレアグルーブ、ファンクが注目を集めているが、ヨーロッパに目を移すと、彼らと似た音響を配すオランダ拠点の、イン・インやアルタン・ギユンにはタイよりも、トルコの60〜70年代のヴィンテージ・サイケ&ファンクが色濃く反映されていることに気付く。
 その際たる源流が今回ピックアップするムスタファ・オズケント。
 彼のキャリアは非常に長く60年代からギタリスト&アレンジャーとして活躍し、その名を国内外に轟かせてきたが、この73年の全編インストアルバム『Genclikle Elele』は、当時国内無双を誇った一流スタジオミュージシャンを集めほぼ一発録りというライブ感溢れる演奏で、この時点で既に現在の前述したムーブメントを予見、否、凌駕するほどの楽曲が出揃ったレアグルーブの名盤として残している。 
 その中でも今回選んだ早めのBPM曲「ドラナ・ドラナ」は歪んだ単音ギターの主旋律が印象深く、その放つヴァイブスの開放感は際立ったものを有している(se)