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黄昏ミュージックvol.70  ザ・ウェイ/ジュライ

黄昏ミュージックvol.70  ザ・ウェイ/ジュライ

 60年代後半、東洋思想が世界に伝播し(きっかけはギーンズバーグらのビート詩人、その影響下のアメリカ西海岸の文学者たち)一時、ビートルズを筆頭に実際にインドへ旅立つアーティストが増えだす。
 そんな潮流の中、シタール、タブラを使用し、インド音階を用いる“ラーガロック”なる一群がサイケデリック・アートと相まって時代の趨勢となった。
 結論から述べると、ある種の時代の徒花としてその潮流は終焉を迎えるのだが、中には、音響として未だ新鮮であり、その後のオルタナティブ・ロックの呼水となる秀作も数多く存在する。
 今回紹介するUKのサイケデリック・ロックバンド、ジュライの「ザ・ウェイ」はその最たるもので、PILを彷彿させる、ピッチ、タイムを無視した歪んだ声紋はまるでジョニー・ライドン。それに相まうギターは無機質なPILとは全く正反対なブルース臭漂うものであり、この取り合わせは“発明”と云っても大袈裟ではない、強烈なチューンだ。一聴あれ!(se)