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黄昏ミュージックvol.69  メイド・イン・ジャパン/バック・オーウェンス

黄昏ミュージックvol.69  メイド・イン・ジャパン/バック・オーウェンス

 筆者にとっての夏アニメの目玉作品『メイド・イン・アビス』が、多くの悲しみ苦しみを主要キャストが抱えながらも一筋の光が差し込む中、なんとか大団円をむかえた。
 今回のセレクションはそれに寄せての完全なる“語呂合わせ”だ(笑)
 主人公バック・オーウェンスは米ビルボードのカントリー・チャートでナンバー1ヒットを21曲も送り込んだ大物カントリーシンガーで、その21曲目のメガヒットがこの『メイド・イン・ジャパン』。
 古くからアメリカ人は“ストレンジ”なる感覚を表すのに、メキシコ 、ハワイ、東南アジア、そして日本の情緒を使用する傾向があり、音楽はもとより、映画にも当の日本人から見れば失笑してしまうものも実は多い。
 この種のストレンジ感満載の代表的音楽ジャンルは、レス・バクスターを始めとするエキゾチックサウンドが真っ先に脳裏に浮かぶが、サウンドプロダクトはランチタイム・ミュージック、ムードミュージックの趣を占めるものが殆どだ。
 しかし、バック・オーウェンスの当作は、揺るぎない出自であるカントリーミュージックの構造は全く崩さずメロディーだけが日本にフォーカスするという、云えば異形なエキゾチカ楽曲で、一度聴くと耳から離れない優れものなのだ。
 ちなみに歌詞の内容は、とある日本人女性を愛した短い恋を歌ったものだ。(se)