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黄昏ミュージックvol.63  狂い咲きフライデイナイト/タモリ

黄昏ミュージックvol.63  狂い咲きフライデイナイト/タモリ

 3月に早くも希望寄席の2回目が行われ、前回以上にソフト面はもとよりハード面も充実し、実に楽しい宴となった。
 前回に引き続き、筆者は音響と客入れ客出しDJを担当したが、江戸前落語家のそれなりのクオリティーの楽曲と云うとかなり限られてくるので、この夜の音をかけるモチベーションとして、前回と被らない音源だったのが、浅草ジンタの『笑点のテーマ』。演者二人が長年レギューラーを張る林家木久扇一門と云うことも加味してのセレクション。このパンキッシュでスカがかった解釈は高速テンポと相まって実に痛快なのである。
 そしてこちらも噺家のもではないが、今回の主題、お笑いタレントの大御所、タモリの4枚目のアルバムから『狂い咲きフライデイナイト』を使わせてもらった。
 同曲はシングル盤にもなりB面の『スタンダード・ウィスキー・ボンボン』共にサザンオールスターズの桑田佳祐作詞作曲で発売当時は話題的には大きな反響があった楽曲だ。
 曲の構造としては、後発ながら小ヒットした『アミダばばあの唄/明石家さんま』と同傾向の歌謡ジャズブルースといったところで、桑田作品の一翼を担う“あれ”だ。
 この曲を選んだ最大の理由は、他の芸人の追従を許さないタモリの音楽の高い理解度。そして、自身の番組『今夜は最高!』同様にJフュージョン界の手練を揃えた安定したバンドの演奏に尽きる (se)