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黄昏ミュージックvol.35 夢見るクリスマス( I believe in Father Christmas)/エマーソン・レイク&パーマー

黄昏ミュージックvol.35 夢見るクリスマス( I believe in Father Christmas)/エマーソン・レイク&パーマー

 選曲なりDJを職業にすると当然この時期はクリスマス対応というものに迫られる。
 そんな中、数あるクリスマスソングで一番長きに渡って筆者がかけている楽曲といえば、「戦場のメリークリスマス/坂本龍一」ではないだろうか?
 連続して畳み掛けるクリスマスコーナの序章に最適なのがその理由だが、近年、この忘れ去られたクリスマスソングを使用することが多くなってきた。
 その理由は、コンポーザーであるグレッグ・レイクの他界に他ならない。
 楽曲の正式な名義は、70年代初頭、キーボードや、黎明期のシンセサイザーを大きくフューチャーし当時のロックシーンを席巻したトリオ、エマーソン・レイク&パーマーなのだが、この時期(77年リリース)は個別の活動が目立っていて、実質はグレックのソロ作品と位置付けてもいい程に彼の憂い多き美声が印象的なクリスマスソングなのだ。
 グレック・レイクの主なる宗教感を筆者は知らないが、この人の声は何故かキリスト教に対して高い互換性がある。
 例えば、EL&P全盛期(73年)のカバー曲に、英国の第二国歌として名高い「聖地エルサレム」があるが、これ等いい例だ。
 フロントマンのキース・エマーソンも亡くなり、今や残されたカール・パーマが、「カール・パーマズ ELP レガシー」として一人奮闘、その楽曲を後世に伝える活動を行っているが、あの輝かしいEL&Pの勇士はもう永遠に見れないのが現実だ。
 そんな、悲嘆も含みながら、今年もこの曲をかけるとしよう(se)